こんにちはコタツです。
前回の続きです。
木地に吸い込ませた漆を固めるためと、希釈に使った純テレピンを揮発させて消したいので、一週間置きました。
触ってもサラサラした手触りで、テレピンの匂いも消えました。
次は手触りを良くするためペーパーを使って空研ぎします。
空研ぎペーパーと当て木。
今回は280番の空研ぎペーパーを使います。
ペーパーは数字が大きくなるほど、粒子が細かくなりピッカピカに仕上がります。
轆轤(ろくろ)にセットし、回しながらペーパーを当てます。同じ方向だけでなく逆回転でも当てます。漆が固まってないとこの時出る研ぎ粉でも漆かぶれがおきます。
側面も当てます。
全面研げたら完了です。
そして、再び漆を塗ります。やり方は木地固めの時と同じですが、漆は希釈せずにそのまま塗っていきます。
使う量も少なくなります。
ここからは仕上げに入るので、拭き残しがないように拭いてもサラサラした感じになるまで、しっかり拭きます。溝の部分や角がある場合も爪やヘラを使ってしっかり漆を拭き取ります。ほっとくと塗り重ねるごとにだんだん溜まってきてカッコ悪いです。
早く艶を出すため漆を残しながら拭くやり方もありますが、ムラになる場合もあり、ホコリなどがついたまま固まると取れなくなり再び研いだりしないといけないので私は不器用できっとゴミだらけになると思うのでやりません。
そして、再び湿度を上げたケースに入れて固めます。
このケース使うの初めてなんですが、濡れタオルの上にすのこ置いたので、すのこが水分吸って濡れてしまいました。(最初に気付け!)漆が固まってたらいいけど、塗った後に水分が付くとそこだけ跡がつきます。濡れた手で触った物を乾かさず漆を塗るとホラーのように手形が残ります。その手形はちょっと研いだ程度では消えません。急いでる時はホラーより恐ろしいです。😱
プラスチックのトレーを置いて木に水がしみないようにするなどケースにもうちょっと改良が必要です。杉の風呂棚の場合直接板に霧吹きで水分を含ませます。小型の杉の風呂棚欲しい〜!以前、作りの良いベニア製を譲って頂いたけど、横幅2m40㎝ありあまりに巨大なため手放してしまいました。
夏の暑い日は温度も湿度もあるので漆の固まりが早く1日に2回塗ったりもしますが、漆をしっかり固めてから次塗る方がきれいに仕上がります。漆は徐々に硬化していき完全に硬化するのに何年もかかると聞いた事があります。
今回は急ぐ作業でもないので次塗るまで2〜3日間を空けます。
空研ぎした後漆を3回塗り重ねて完成です。
今回は軽く塗るつもりだったので3回しか漆を塗り重ねていませんが、お椀とかなら6回位塗ったり、作品を作る時は空研ぎに加えより細かい粒子のペーパーで水を付けて研ぐ水研ぎの工程もはさみながら20回以上塗り重ねたりします。最後は気が済んだら終わりみたいな感じです。
出来上がったケーキボードで撮影会をしました。
近所のスーパーで買ったアップルパイを乗せてみました。茶色のお菓子に茶色のボードですが、割と合っているかな。
ティータイム風。
そして、子供の頃の憧れだったケーキ。シルベーヌ!
シルベーヌは2箱買わないとホールにはできないのですね。
白い紙をしけばシルベーヌも映えます。
今回はふき漆と言うやり方ですが、
写真のように何回も下地を重ねて最後に艶を出す塗り方もあります。
写真の塗り方はひと通り教えていただきましたが、かなり技術が必要で不器用な私には向いてないなーと感じています。
本格的な塗りをするなら無理に自分でやらずにプロに任せればいいやん!と思っていますが、自分で思い描く物を作りたいと考えた時、そうも言っていられないので少しでも漆に興味を持って自分でできるやり方を考えて行けたらと思います。
〈注意事項!〉
漆を塗る時、道具を掃除する時に使用される溶剤について。今回はテレピンを使用していましたが、他にもシンナーやホワイトガソリン、灯油を使用する場合があります。もし、自宅などで漆を塗って見ようと思われた場合これらの溶剤は火気厳禁です。冬にストーブを使っている近くで作業していて溶剤をこぼしてしまい引火したなどの話も聞いた事があります。
保管する時も火の気のない所に少量づつ保管するなど注意して下さい。また、使用中は部屋を充分に換気して安全に注意して使用して下さい。