器とたべもの

食べ物や器のことをとりとめなく書いていきたいです。時々木の器を作ってます。

栃(とち)の木でスープ皿を作る。それと器のフチの話

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こんにちはコタツです。
9月も半ばを過ぎて、いつも通りかかる田んぼの稲穂もたわわに実って頭を垂れています。彼岸花もあちこちで見かけ、夏が終わり秋の訪れを実感します。

さて、今回は私が普段よく使う欅(けやき)より柔らかい栃(とち)の木を使ってスープがおいしそうに見える器を作ろうと思います。
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以前仕事で買った材料ですが、底に大きな節が出てきて、それがどうしても仕上がり部分に出てくるので悩んだ結果ボツにした材料です。

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外側の形がだいたい決まったら刃物を変えて表面をきれいにします。
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こんな事してるの私だけだと思いますが、刃物の柄を底に当ててテーブルに見立て、自分も横向きに見てテーブルに置いた時の印象をイメージします。
たぶん他の人はこんな事しなくても仕上がりが、イメージできるはず。
私の場合、削ってる時はいい形と思っていても、轆轤(ろくろ)から外すと「ダサッ!!」と、びっくりする事がたまにあります。(^^)
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その後、やっぱり形が気に入らなくて何回か削り直した後ようやく気が済んだので外側が完成しました。
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ちょうど、底面の部分に節が出てきました。
でも、今回は自分で使うつもりだし、節があるからと言って使用に支障は無いので(ただ、見た目が悪い)そのまま仕上げます。

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続いて内側も仕上げます。
思ったより底が薄くなってしまったので、仕上げがかなり荒いけど終了します。(T . T)

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底の厚みは置いといて、最後にフチの形を決めます。
同じフチ厚みでも形によって印象が大きく変わるので、とても重要です。
この器は、ポッテリした雰囲気にしたいのでドーム型のような丸い形にしました。

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とりあえず完成!

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いつものように漆を塗って仕上げていきます。

木の器で思い浮かぶのがアニメのアルプスの少女ハイジです。
木の器に盛り付けられて湯気をあげるスープやチーズがのった黒いパンは、とてもおいしそうで見てるとお腹が空いてきます。
この器もスープがおいしそうに見えるといいなと思います。ですが、その前においしそうなスープ作らないとダメですね。


話は変わって、先程も出てきた器のフチの話を少しします。

私は、木地の注文をいただく時、同じ器を50個や100個の注文が多いです。
全部手作業なので型を使ったとしても完璧に同じ形にするのは難しいです。
完璧に形を揃えられないなら雰囲気を揃える事が大切になります。そこで、ポイントはいくつかありますが、中でも大切なのがフチの形を揃えることです。
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久しぶりに下手な絵で申し訳ありませんが、フチの絵です。

フチが薄い器は比較的形を揃えやすいですが、今回のスープボウルみたいにフチの厚みが3ミリ位あると、赤い線と青い線のように丸みの山の頂点をどの位置に持ってくるかによって印象がかなり変わります。

あと、切り落とす角度とかも揃えないと、重ねた時にバラバラの印象になってしまいます。

何日もかけて同じ器を仕上げていると、形がブレやすくなるので、最初に上の絵みたいなのを頭の中でイメージして削ると割と揃えやすいです。

器のフチで思い出すのが、研修所で轆轤を学んでいた時、卒業制作で30センチ位の大きな器を作っていました。
器の大きさに合わせてフチの厚みも6ミリ位あったと思います。
フチの形は作品の印象を決める大切なポイントです。
そのフチの形を決めるのに研修所の先生と30分位揉めて、最後にはケンカみたいになってしまいました。
今となっては、なんであんなピリピリしてたんだろ?もっと楽しくやればよかったのにと思いますが、あの時わからないなりに答えを知りたいと必死に喰らい付いたことで多くの事を学ぶことができました。
結局、その当時は自分にとって納得のいく答えは得られませんでした。しかし数年後「そう言えばあの時先生が言ってた感覚はこの事かな?」と気づく事があります。
フチに限らずあらゆる面で未だに全然わかってないし、やればやるほどわからない事も増えます。

今も模索中!たぶん一生模索中!^_−☆