器とたべもの

食べ物や器のことをとりとめなく書いていきたいです。時々木の器を作ってます。

紅葉の下でもみじを食べる。

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こんにちはコタツです。
11月も終わりに近づき、朝になると庭の植物に霜が降りていて、いよいよ冬の訪れを感じます。

今回は、去りゆく秋に未練がましくしがみ付きたく思い、大阪府箕面市(みのおし)まで紅葉狩りに行ってきました。

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スタートは阪急電鉄箕面駅です。久しぶりに阪急電車に乗りました。

そこから、箕面大滝(みのおおおたき)まで約2.6㎞の滝道(たきみち)歩きます。

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途中お店がたくさんあります。柿や栗を売るお店やオシャレカフェなどもありました。

中でも多かったのが、箕面名物の「もみじの天ぷら」です。
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とても人気で、お土産のお持ち帰り用に前日揚げたものは、ほとんどのお店で完売していました。
揚げたての食べ歩き用を買いました。

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紅葉をバックに食べてみました。

食事の天ぷらとは違い甘い衣の揚げ菓子でかりんとうや八つ橋に近い感じです。
肝心のもみじの味は正直全くと言っていいほどわかりません。
しかし、食べたあと葉脈が口の中に残るので存在感はものすごくあります。
紅葉の下で雰囲気を味わいながら食べるととてもおいしかったです。

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その後、滝道を箕面大滝に向かって進みます。
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この日は、紅葉の見頃を迎えていて人も結構多かったです。
きれいな景色の前では大勢の人が写真を撮っていました。

滝道は舗装されていて歩きやすく、緩やかな坂道の中に時々急な坂がある道でした。
しかし、運動不足の私は息を切らしながらフラフラ歩いていましたが、その横を私よりずっと年上に見える方々が軽やかに通り過ぎていかれました。

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川の水がとてもきれいでした。
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なんか視線を感じると思ったら、トンネルの向こうからご当地キャラのゆずるくんがこちらを見ていました。

そして、40分程歩き箕面大滝に到着しました。
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この滝は「日本の滝100選」にも選ばれているそうです。
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滝の前はベンチもあり多くの人が滝を眺めながらお弁当を食べたり、写真を撮ったりしていました。

紅葉も満喫したのでもみじの天ぷらの話に戻りますが、天ぷらに使われるもみじは「一行寺楓(いちぎょうじかえで)」という種類の葉を1年間塩漬けしてから天ぷらにします。
一行寺楓は黄色い葉をしていて普通の赤いもみじだと揚げると黒くなってしまうので一行寺楓の葉を使ったそうです。

もみじの天ぷらの歴史は古く、今から1300年前の飛鳥時代に活躍した呪術者の役行者(えんのぎょうじゃ)が箕面の紅葉を称賛し訪れる人達にふるまったのが始まりとされています。

役行者はこのブログの奈良県洞川温泉の記事でも紹介した日本独自に発展した山岳信仰の修験道(しゅげんどう)の開祖です。
www.utuwa-tabemono.com

役行者の誕生は奈良県御所市(ごせし)ですが、亡くなったのは箕面の地と言われています。

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滝道の途中にある瀧安寺(りゅうあんじ)です。
西暦658年に役行者が箕面寺として開かれ後に名前が瀧安寺になったそうです。
以後、修験道の道場として発展しました。
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役行者と弟子の鬼夫婦の石像。
山を歩く時に役行者を真ん中に夫の鬼が前を歩いたので前鬼(ぜんき)妻が後ろを歩いたので後鬼(ごき)と呼ばれています。

ちなみに、奈良県には前鬼の里と呼ばれる集落があり、現在も五鬼助(ごきじょ)さんと言う方が宿坊を守っておられるそうです。

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行者堂拝殿
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行者堂奥殿
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役行者像

瀧安寺はかつて80以上ものお堂があり修験者たちがたくさん訪れ修行していたそうです。

今回、何かでもみじの天ぷらの事を知り「もみじ食べてみたい!」との思いだけで深く考えずに箕面までやって来ました。
そこで、思いもかけない歴史の深さを知ることができて楽しかったです。

それにしても、洞川温泉から箕面までは車で走ると有料道路を使っても2時間はかかるのに役行者の行動範囲はすごく広いなと感心しました。