器とたべもの

食べ物や器のことをとりとめなく書いていきたいです。時々木の器を作ってます。

道明寺粉(どうみょうじこ)で桜餅を作る。

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こんにちは、コタツです。
3月も下旬にさしかかり、気温が一気に上がって春すっとばして夏が来たような陽気です。

今回は、桜の季節も近いので、桜餅を作ってみようと思います。

関西地方で桜餅と言えば、「道明寺粉(どうみょうじこ)」を使った桜餅が一般的です。

私の実家から車で30分位走った所に「道明寺(どうみょうじ)」と言うお寺があり、以前から道明寺粉との関係が気になっていたので行ってみる事にしました。

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道明寺は大阪府藤井寺市(ふじいでらし)にあります。

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梅が咲いていました。

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本堂

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道明寺の始まりは、古墳時代からこの地域で勢力を伸ばしていた「土師氏(はじし)」の氏寺として建立されたのが始まりだそうです。

土師氏が治めていた地域一帯は、古くから菅原(すがわら)と呼ばれており、後に土師氏はこの地名を取り「菅原」と改姓しています。
その子孫に、学問の神様で有名な菅原道真(すがわらのみちざね)がいます。

ちなみに、先日の記事で登場した道明寺天満宮(どうみょうじてんまんぐう)と道明寺は神仏習合の寺社でしたが、明治時代に出された神仏分離令により「道明寺」と「道明寺天満宮」に分けられました。
www.utuwa-tabemono.com


そして、こちらの道明寺で販売されている蒸した餅米を乾燥させた「糒(ほしい)」が道明寺粉の始まりと言われています。
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袋に書かれている「ほしいひ」と言う字は豊臣秀吉の文字だそうです。 
達筆やなー!


道明寺糒は、菅原道真が九州に左遷された時に、道明寺の尼僧であった菅原道真の伯母の覚寿尼(かくじゅに)が毎日九州に向かってご飯をお供えしていました。
そのお下がりのご飯を周囲の人々に分けると病気が治ると評判になり、求める人が多くなったためあらかじめ乾燥、貯蔵したのが始まりだそうです。

江戸時代までは将軍家や希望した大名などに少しづつ配られていましたが、明治時代に一般の人にも販売されるようになりました。

しかし、私が寺を訪れた日はちょうど品切れで予約をして後日いただきに行きました。


道明寺糒を使って桜餅を作ってみます。
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乾燥餅米を石臼で細かく砕いています。


「砂糖水にしばらく浸けてから蒸すといい」とお寺の人に教えていただきました。
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少しだけ食紅も混ぜました。

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水を切ってから皿に入れて蒸し器で蒸します。

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中まで蒸し上がったか食べて確認します。

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蒸し上がったらこし餡を包みます。

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最後に桜の葉の塩漬けで包んで完成です。


関西の桜餅を道明寺と呼ぶのに対して、関東の水で溶いた粉を薄く焼いて餡を包む桜餅を「長命寺(ちょうめいじ)」と呼びます。

長命寺桜餅は、享保ニ年(1717年)に隅田川沿いの長命寺と言うお寺の門番をしていた山本新六(やまもとしんろく)と言う人が、小麦粉を薄く伸ばして焼いた生地に餡を包み、塩漬けの桜の葉で巻いて売り出したのが始まりと言われています。

山中新六のお店は現在も「長命寺桜もち山本や」として隅田川沿いで桜餅を販売しています。


長命寺桜餅も作ってみました。
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ちょっと形が悪くなってしまいました💦


関西の道明寺桜餅は、1800年代に江戸で人気のあった長命寺桜餅を参考に発案され、大阪の北堀江(きたほりえ)にある「土佐屋」が販売したのが始まりと言われています。


最後に桜餅の葉問題について。
私は、桜餅の葉を何も考えず食べていましたが結構意見は分かれているそうです。
「長命寺桜もちの山本や」は葉は餅の乾燥を防ぐためと、香り付けの目的なので葉を外して食べる事をすすめています。また、葉を含めて味わってほしいと言ってるお店もあり様々です。
結局お店の提案があればその通りにすればよいし、無ければ食べ過ぎない限りどちらでも良いのかなと思いました。


もうすぐ、桜の季節です。両方の桜餅が手に入るなら満開の桜の下で食べ比べてもいいかもしれませんね。
葉を食べたり外したりしながら…。