こんにちはコタツです。
暑い夏を快適に過ごしたいと思い、氷の神様を祀る氷室神社に行って来ました。
まずは、奈良県天理市福住にある氷室神社に行きました。
御由緒略記によると、日本書記に当時この地は闘鶏(つげ)と呼ばれていて、そこに狩にやって来た仁徳天皇の異母兄弟である額田大中彦皇子が氷室を発見し、1600年前の当時珍しかった氷を都に持ち帰り仁徳天皇に献上した所、たいそう喜ばれそれ以来、毎年福住の氷を献上することになり、その後氷室神社が建立されたようです。
鳥居の向こうが昼間なのにとても暗くて入るのに勇気がいりましたが、本殿に行くと明るくなります。所々で人が通るとライトがつくようになっています。
この辺りには昔の人が冬に池などから切り出した氷を夏まで貯蔵した氷室の跡が数多くあるそうです。
神社から車で少し行った所に地元の人達が復元した氷室があります。
なかなか立派な建物です。
この中の地面を3mほど掘り、下にススキなどの草を厚く敷いた上に氷を置き、さらに上から草をかぶせて貯蔵したそうです。
奈良時代には、強い力を持った皇族の長屋王は専用の氷室を持っていて、また庶民も氷室を作り夏に氷を使う習慣があったようです。
続いて奈良市の氷室神社に行きました。こちらは、奈良国立博物館の向かいにあります。
カキ氷を神前にお供えする献氷参拝を行ないました。
カキ氷を受け取り神前に供え、300円以上のお賽銭を入れお参りします。終わったらすぐに下げて置いてある蜜をかけて頂きます。
フワフワで大きかったカキ氷がみるみる小さくなっていきます。
カキ氷を食べるのは久しぶりでしたが、シンプルな味わいでおいしかったです。
ここ数年奈良はカキ氷が流行ってるみたいですが、私はカキ氷よりアイスクリームの方が好きなので最近のオシャレなカキ氷を一度も食べた事がありません。ですが、近くにとても人気のお店があると聞いて、一回位食べてもいいかなと思いお店のsnsを調べてみると、なんと朝9:30には整理券を配り終えてその日の分は完売との事でびっくりしました!
また、奈良時代には氷を酒に浮かべたりして飲んでいたようですが、平安時代の清少納言の枕草子にカキ氷が登場します。
「あてなるもの」(上品なもの)の段に
「削り氷に甘葛(あまづら)入れて、あたらしき鋺(かなまり)に入れたる」
とあります。甘葛はツタの樹液を煮詰めた甘味料で高級品です。鋺は金属の器です。
文章からよく冷えて水滴のついた金属の器に盛られたカキ氷を食べる平安セレブ女子の姿が思い浮かびます。
参拝を終えて国立博物館を見ると
正倉院の宝物を再現した展覧会が開催されていました。
軽い気持ちで見に行ったのですが、複製の製作にはその分野の一流の人達が集まり、材料選びから数えると8年もかけて復元された琵琶などが展示されていてとても見応えがありました。正倉院展をより楽しめると思います。
その中に佐波理(さはり)と言う銅と錫が主成分の合金で作られた入れ子式の鋺が展示されていました。鋳物で形を作った後に轆轤で仕上げられていてすごく精巧に作られていました。本来は仏具のようですが、金色に輝くお鋺に「カキ氷を入れたらおいしそうだな〜」と恐れ多くも食いしん坊の私は思うのでした。